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2009年11月

2009年11月27日 (金)

ケースワークの新たな展開~システム理論の導入~

●システム理論の系譜

①アリストテレス「全体は部分の総和以上のものである」

②18世紀に理論物理学の領域で生まれる。

③20世紀半ば一般システム理論を展開したベルタランフィ、サイバネティックスの提唱者ウィーナー、社会システム論のパーソンズなどの研究者によって、生物化学、行動科学、社会科学にまで広がる。

●システム理論とは何か

①システムは各ユニットによって構成される総体である。

②各ユニットは各パーツを持ちそれらが相互作用している。

③システムは家族、組織、地域社会、文化がある。

④システムはある一定の目標に向かって運動を続けている変化する相対である。

⑤社会は種々のシステムによって構成されていて、これらのシステムの中の一人が、そのシステムの中で相互作用しているとともに、他のシステムに依存している人とも共存している。

⑥したがってシステムには、相互作用により、要素の寄せ集めだけではない動きがでる。

●社会福祉援助技術へのシステム理論の導入の経過

①ハーンが一般システム理論の導入を試みる。

②ピンカス、ミナハン、ゴールドシュタインがシステム論を用いた統合理論を全体的モデルとして展開。

③コンプトンとギャラウェイの社会援助技術活動の過程に関する理論、シュワルツの相互作用モデル、リードとエプスタインの課題中心モデル、ジャーメインの生活モデル。

④社会福祉計画論やサポートネットワーク理論、ケアマネジメント理論として具体化。

●ピンカスとミナハンの提示したケースワーク実践

①クライエントシステム

社会福祉サービスを利用しているか、利用していくことを必要とし、援助活動を通して問題解決に取り組もうとしている個人や家族から構成されている小集団をさす。

②ワーカーシステム

援助を担当するワーカーとそのワーカーが所属する機関や施設とそれを構成している職員全体を指す。

③ターゲットシステム

ワーカーとクライエントが目標達成のために働きかける標的となる人々や組織のシステム。

④アクションシステム

変革に影響を与えていく実行活動に参加する人々や資源全てをさす。

●システム論的社会援助技術の意義

①従来の伝統的な心理・社会アプローチは、利用者そのものに働きかけて、変わるべきは利用者であるという考え方であった。

②それに対して、問題解決のためには、環境や環境の一部としての援助者やその機関のあり方、用いられる方法や制度など、つまり利用者を含む社会システムを構成するさまざまな関係そのものに働きかけるという特徴がある。

●システム論的社会援助技術の基本的な枠組

①社会福祉実践の焦点である人と環境は、社会システムの中で交互作用を続ける二つの要素である。

②交互作用は、個人と環境の間で行われる継続的な相互交換であり、それを通して相互に影響しあう関係。

③したがってその二つの要素はその交互作用の中で、いかようにも変化しえる円環的または循環的関係を続けていく。

④社会福祉的介入は人と環境がまさに関わるインターフェイスにおいて、循環的環境そのものに介入していくことになる。

●システム論から生態学へ

・このシステム理論は抽象的過ぎるので、ジャーメインとギッターマンが、対人援助の実践に、よりふさわしいものとしてエコロジカルモデル・生態学理論を開発した。

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2009年11月26日 (木)

ケースワーク理論の新たな展開~新しいモデルの台頭~

●行動変容アプローチ

・利用者の問題行動の原因や動機に遡ることをせず、問題行動そのものを取り上げて、条件反射の消去、あるいは強化によって、特定の問題行動の変容を目標に働きかける。学習理論を導入した。

●危機介入アプローチ

・危機に直面して情緒的に混乱している利用者に対して、適切な時期に迅速に、危機介入していく援助方法である。精神保健分野などで発達してきた危機理論をケースワークに導入したものである。

●課題中心アプローチ

・利用者の問題を、利用者が解決しなければならない課題として取り上げ、いかにその問題を解決するかについて、利用者と援助者が協力して解決しやすい方法を検討し、計画を立て、実行していく方法である。伝統的ケースワークの長期にわたる処遇への批判から、短期の計画的援助を提唱した。

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2009年11月25日 (水)

ケースワーク理念の新たな展開~統合化理論の始まり~

ケースワークに対する批判に対して、再編が進んだ。最新の心理学や精神分析学を導入し、より細分化された領域でその有効性を追及、証明していこうとする動きとケースワークが専門分化しすぎたことによってその機能が断片化し、社会的要請に応えられなくなったとして、援助技術理論を統合化して行こうとする動きが見られた。

●理論の統合化に向けて

①リッチモンドの「人と環境」理論

②ミルフォード会議

③統合化の3つの形態

 A、伝統的な方法を状況に応じて組み合わせる方法

 B、「共通基盤と準拠枠」の明確化を図ることーバートレット

 C、システム論を用いたジェネリックソーシャルワークの理論形成による

④バートレットの「社会福祉実践の共通基盤」

社会福祉援助に共通する構成要素は価値・知識・介入であり、この3つの要素のバランスが保たれて初めて個別援助技術はその機能を発揮しうる。

⑤パールマンの問題解決過程

パールマンは「ソーシャルケースワーク:問題解決の過程」を著し、自我心理学などを取り入れた問題解決モデルを開発した。その問題解決のための構成要素としての4つのPの概念を提唱し、また問題解決に取り組むクライエントの力をワーカビリティーと呼び、MCOモデルをも開発した。

●パールマンによるケースワークの構成要素

①人(person)ー利用者

②問題(problem)ーその人と環境との間に調整を必要とする問題

③場所(place)ーソーシャルワーカーが所属し、ケースワークが具体的に展開される機関施設

④過程(process)ーソーシャルワーカーと利用者との間に築かれた相互信頼関係を媒介として展開される援助の過程

●ワーカビリティの3つの要素

①動機付けーサービスを利用して問題解決に取り組んでいく意欲の側面をさす

②能力ーサービスを利用して問題解決に取り組んでいく「能力」をさす

③機会ーサービスを利用して問題解決に取り組んでいく「条件」をさす

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2009年11月24日 (火)

ケースワークの援助過程

●開始期

・利用者と援助者とが解決すべき問題を明らかにし、利用者が問題を解決する意思を形成し、援助の手順と目標について両者が確認し信頼関係を築いていく段階。

・インテーク(受理)

相手の直面している問題や悩みを明らかにすることが目的である。

・アセスメント(事前評価)

資料の収集、分析

・プランニング

援助の具体的方法を選定し、実施計画を立て、当面の目標を決定する作業。

●展開期

・援助の効果を常に把握し、必要に応じて再アセスメントを繰り返し、援助計画の見直しを行う。

・モニタリング

計画された援助が効果を上げているかどうかについて判断し、新たなアセスメントやプランニングにつなげていく作業。

●終結期

・問題解決過程の評価を利用者とともに行い、今後解決していかなければならない問題を確認していく。また、再利用についての受け入れ準備がなされていることを利用者に伝える。

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2009年11月23日 (月)

ケースワークの基礎概念

●傾聴・受容・共感

・他者のいうことをよく聞き、その価値観への賛否を問わずそのまま受け入れ、その気持ちのありのように深く共感し、同情すること。

●自己覚知

・援助過程の中での自己への振り返りによって、対象との関係において生じる自己の利点や欠点・歪みなどが明らかになり、援助者として成長に繋がるものとなる。

●バイスティックの7原則

1、個別化の原則

2、自己決定の原則

3、受容の原則

4、非審判的態度の原則

5、秘密保持の原則

6、統制された情緒関与

利用者の感情を援助者は感受性を持って理解し、援助目的に沿って適切な情緒的かかわりを持つ。

7、意図的な感情表出の原則

利用者が自己の肯定的感情や否定的感情を自由に気兼ねなく表現できるように、援助者が意図的に関わること。

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2009年11月22日 (日)

ケースワークの定義と原則

●リッチモンド

・「ソーシャル・ケース・ワークとは何か」ー1922年

ソーシャルケースワークとは人々とその社会環境との間に、個々別々に、意識的にもたらされる調整を通じて、人格の発達を図る諸過程から成り立っている。

・ケースワーク過程をインテークー社会調査ー社会診断ー社会治療の4つのプロセスに分けてあらわした。

●パールマン

・「ソーシャル・ケースワーク:問題解決の過程」ー1957年

個別援助技術は、個人が社会に機能する際に出会う問題を、より効果的に処理できるよう援助するために、ある人間福祉機関によって用いられる過程である。

●バワーズ

・「ソーシャルワークの本質と定義」ー1949年

個別援助技術は、利用者とその環境の全体またはその一部との間に、よりよい適用をもたらすのに役立つような個人の内的な力及び社会の資源を動員するために、人間関係についての科学知識と対人関係における技能を活用するアートである。

●ホリス

・「社会福祉心理療法」ー1964年~1981年

マイナスに影響しあう内的・心理的原因と外的・社会的原因の相互作用を認識し、個人が社会環境の中で、自らのニーズを十分に満足させ、より適切に援助することである。

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2009年11月19日 (木)

個別援助技術理論の展開過程~4~

●ケースワークの批判期 1960~1970

・60年代には、公民権運動や福祉権運動の担い手から、利用者の人格に問題があるという前提に立って援助を開始する、精神分析学偏重の援助技術に厳しい批判がなされた。

・「貧困の再発見」ガ唱えられ、貧困問題を忘れた援助者は、「愛されぬ専門職」と呼ばれた。パールマンは「ケースワークは死んだ」と自己批判している。

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2009年11月17日 (火)

個別援助技術理論の展開過程~3~

●ケースワークの統合期1950~1960

・50年代には、診断主義と機能主義の両者が互いに歩み寄り、両派の統合が試みられた。心理主義、精神医学に偏り、社会環境条件を見落としたケースワーク理論に対する反省がなされた。

・パールマンは、診断主義派の立ちつつ、機能主義派の理論を積極的に取り入れた「問題解決アプローチ」を体系化した。

・アプティカーは、機能主義派の立場に立ちつつ、診断主義派の理論を積極的に取り入れ、ケースワークとカウンセリングの関係について、比較分析した。

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2009年11月15日 (日)

個別援助技術理論の展開過程~2~

●ケースワークの発展期1920~1950

・精神医学や心理学を背景に、環境から人間の内面に焦点が移行した20年代には診断主義ケースワーク、30年代には機能主義ケースワークが登場する。

・診断主義ケースワークは、Sフロイトの精神分析の流れをくみ、利用者の持つ問題やその原因が、社会環境よりもここの精神内界にあるととらえ、ケースワークを「利用者が援助者に働きかける過程」とした。

・機能主義ケースワークは、ランクの流れをくみ、人間のパーソナリティにおける自我の創造的統合力を認め、利用者を中心に、援助者の属する機関の機能を利用者に自由に活用させ、自我の自己展開を助けることを課題とし、ケースワークを「利用者が援助者に働きかける過程」とした。

・1922年から1929年にかけてアメリカでミルフォード会議が開催され、ジェネリックスペシフィックという概念によってソーシャルケースワークの統合化が早くも試みられた。

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2009年11月14日 (土)

個別援助技術理論の展開過程~1~

●ケースワークの基礎確立期

・アメリカにおける援助技術発展のの母体となったのは、慈善組織協会やセツルメントなどの民間機関の援助活動であった。特に慈善組織協会での友愛訪問活動は、ケースワークとしてリッチモンドにより体系化された。主著は社会診断(1917)ソーシャルケースワークとは何か(1922)

・リッチモンドの定義は、「ソーシャルケースワークは人と環境との間を、個別に意識的に調整することを通して、パーソナリティーを発達させる諸過程からなっている」とし、人間の問題は人と環境の関係から生まれ、その調整によって問題解決が図られるという理論であった。しかし当時は社会福祉専門職の認知度が低く、また人と環境の関係といっても、両者の相互関係を理論的にとらえる基礎理論が成立していなかったために、精神分析学へと傾倒していく結果になった。

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2009年11月13日 (金)

福祉士対策。

普段勉強していてふと疑問に思ったのを調べてみました!

…個人的ですみません!

●クリッピング

切開のこと。
医学一般において。

●ストマ

消化管や尿路の疾患などにより、手術によって便や尿を人工的に排泄するために対外に造設した排泄口のこと。

便が排泄される消化器系ストマと、尿が排泄される尿路系ストマがあり、それぞれ人工肛門・人工膀胱とも呼ぶ。

ストマは日常生活を制限するものではなく、手術後もそれ以前と同様に活動することが可能。

●シャント(バスキュラーアクセス)

血液透析において十分な血液量を得るために,動脈と静脈を体内または体外で直接つなぎ合わせたものをシャントという。

●理学療法士と作業療法士

理学療法士及び作業療法士法により「作業療法」及び「作業療法士」は次のような規定が有る。

作業療法とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。(第2条第2項)

作業療法士とは、厚生大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。(第2条第4項)

つまり、作業療法士とは、心身に障害を持つ人に対して、生活活動、手工芸などの活動、仕事、学習活動、身体運動活動などの作業を用いて、訓練や指導を行い社会参加や社会復帰を支援することである。

理学療法士とは、交通事故によるけがや病気・老化現象などで身体に障害を持つ人の状態をみて、医師の指示のもとに、治療体操などの運動を行わせたり、電気刺激、そのほかの物理的手段を加えたりして、主として基本的運動能力の回復を図り、日常生活のや社会復帰を果たせるように援助する仕事である。

簡単に言えば、理学療法士は身体面、作業療法士は身体+精神心理面のリハビリを行う。

●せん妄

意識障害の一種で精神的な活動が混乱した状態。認知力や思考力、判断力が低下して混乱する。

●ロスマンの3つのモデル

1960年代の地域援助活動
・地域開発モデル
・社会計画モデル
・社会活動法

●プログラム活動とは
働きかけ、動機の手段
・レクリエーション活動
・社会体験学習活動
・日常生活活動
・教育、訓練活動
・ソーシャルアクション活動

●ワーかビリティ
利用者の生活能力と福祉サービスを活用する能力をいい、身体的、知的、情緒的の3側面から吟味する。(パールマン)

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2009年11月12日 (木)

被保護者の権利及び義務

●権利

・不利益変更の禁止

正当な理由がなければすでに決定された保護を不利益に変更されることはない

・公課禁止

保護金品を標準として租税その他の公課をかせられることはない

・差押禁止

すでに給付を受けた保護金品またはこれを受ける権利を差し押さえられることはない

●義務

・譲度禁止

保護を受ける権利を譲り渡すことができない

・生活上の義務

常に能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、その他生活の維持、向上に努めなければならない

・届出の義務

収入収支その他生計の状態について変動があった時、または居住地もしくは世帯構成に異動があった時、保護の実施機関または福祉事務所長に届け出なければならない

・指示等に従う義務

保護の実施機関が救護施設に入所し、もしくは入所を委託して保護を行うことを決定したとき、または生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導指示をしたときは、従わなければならない

・費用返還義務

急迫の場合等、資力があるにもかかわらず保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県または市町村の定める額を返還しなければならない

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2009年11月 9日 (月)

保護の4原則

●申請保護の原則

・要保護者、その扶養義務者またはその他の同居の親族の申請に基づいて開始する。

・実施機関は、保護の申請のあった日から14日以内に保護の要否等について通知。ただし特別な理由がある場合は30日まで延長可能。

・職権保護ー急迫時は申請がなくても必要な保護を行う。

●基準及び程度の原則

・厚生大臣が定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのものの金銭または物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行う。

・保護の支給基準と同時に要否の判定基準としての機能を持つ。

・基準ー年齢、世帯構成、所在地、その他

●必要即応の原則

・要保護者の年齢別、性別、健康状態等、その個人または世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効かつ適切に行う。

●世帯単位の原則

・世帯を単位としてその要否及び程度を定める。

・世帯分離ー状況により個人を単位とすることもできる。

・世帯分離を行う場合

1、稼働能力がありながら働く努力をしないものがいるとき

2、被保護者が一般世帯に転入したとき

3、生活保持義務関係にないものが保護世帯に転入したとき

4、長期入院患者のいるとき

5、施設に入所しているとき

6、保護を開始する時点で在学している大学生

7、近いうちに結婚や就職が決まっており、自立することが明らかなとき

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2009年11月 5日 (木)

生活保護法の目的と基本原理

●目的

・憲法第25条ー生存権保障

・国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

●基本原理

・生活に困窮する国民の最低生活保障を国がその責任において行う。

・国民の保護請求権の保障

・信条、性別、社会的身分または門地等により優先的または差別的な取り扱いは行わない。原因による差別もしない。

・外国籍の者は、法の対象とならないが、一般国民に応じた対応を受ける。

・健康で文化的な最低限度の生活水準を保障しなければならない。

・保護は、利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用することを要件として行われる。

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2009年11月 4日 (水)

ナショナルミニマム。

●ナショナルミニマムという用語は、国が社会保障等の公共政策によって、全ての国民に無差別平等に保障する最低限度の生活水準を意味するものとして用いられる。

●歴史的流れ

・イギリスのウエッブ夫妻により19世紀末に労働組合の研究を通じて始めて提唱された。

・公的に最初に使用されたのは、ウエッブが中心となり取りまとめた1909年の勅命救貧法委員会の少数は報告である。

・歴史上具体的な政策概念として使用されたのが、1942年ベヴァレッジ報告による社会保障計画である。

●ナショナルミニマムの達成

・日本国憲法第25条の規定は、一般的に政策概念でなく、規範的概念であるとされており、生活保護基準によって具体的に明確に達成されている。

・生活保護基準は、年金の給付水準や各種の福祉手当、社会福祉施設の措置費などをはじめ社会保障制度体系全体の給付水準に多大な影響を与えている。生活保護水準の引き上げは被保護世帯の単なる最低生活費の水準の上昇を意味するだけでなく、同時に全国民の最低限度の生活水準であるナショナルミニマムを達成している。

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2009年11月 1日 (日)

公的扶助の歴史

●恤救規則ー明治7年~昭和6年

・対象

親族扶養や隣保的救済が不可能な「無告の窮民」に限定

労働能力のない貧民のみ

・特徴

「人民相互の情誼」-惰民感に基づく公的な救済より道義や倫理による情誼性を強調

●救護法ー昭和7年~21年

・扶助の種類

生活扶助、医療扶助、助産扶助、生業扶助と埋葬費

・対象

貧困のために生活のできない65歳以上の老衰者、13歳以下の幼者、妊産婦、疾病あるいは身体または精神の障害により労務を行うのに支障のあるもの

労務能力のある貧困者、扶養義務者が扶養可能である場合は除外

・特徴

①被救護者の地位は「法の反射的利益」、保護請求権の否認、労働能力のあるものを一切排除する等の制限扶助主義の貫徹

②救護費用は、国が市町村、道府県の負担した費用に対して2分の1以内を、道府県は市町村の負担した費用に対して4分の1を補助

③救護機関として市町村長が救護事務を取り扱い、方面委員は市町村長を補助

④居宅保護が原則

●旧生活保護法ー昭和21年~25年

・対象

原則として無差別平等

除外規定ー扶養能力を有する扶養義務者のある場合

欠格条項ー怠惰、素行不良

・特徴

①国家責任による無差別平等の保護を明文化

②積極的保護請求権の否認

③保護の実施は市町村

●生活保護法ー昭和25年~

・対象

無差別平等

・特徴

①憲法25条の生存権理念に基づく

②指定医療機関制度を創設し、診療方針や診療報酬について規定

③「社会福祉主事の設置に関する法律」制度により、社会福祉主事を保護の補助機関とした

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